カビによって作られる世界一堅い食べ物鰹節(かつおぶし)
昨日「日本料理の基礎観念 by 北大路魯山人」について書いたのだけど、
そこにも出てきた鰹節の話題。
鰹節って結構面白い作られ方をしている。
その辺りのお話が「人間はこんなものを食べてきた」に乗っていた。
面白かった箇所のみ箇条書きで。
・鰹節はカビを使う発酵保存食品で、世界一硬い食べ物。
(二番目に堅いのは干したアワビ)
堅くなったのはカビの力。
・鰹節はカツオを3枚におろしたものを煮て、その後燻す。
そうすると、表面の水分はとんで、内部に水が残る。
この状態が荒節で、これを舟形に削って天日に干す。
・次にカビ菌のついた桶に干した荒節を150-160本ほどいれると、
10日ぐらいで荒節の表面にカビが生える。
表面についたカビは、繁殖に水分が必要となるため、
鰹節の内部から水分を吸い上げていく。
・中の水分を吸い取った一番カビをきれいにブラシではいて天日に干す。
そしてまたカビをつけて水分を取る。そして2番カビ、3番カビと進むと、
カビの吸収力によって水分がなくなってしまう。
そのため、鰹節をたたくと拍子木みたいにカンカン澄んだ音がする。
・生のカツオには脂肪があるのに、鰹節にはない。
カビが脂肪を分解する酵素であるリパーゼを出しているため。
・タンパク質の分解酵素は鰹節のタンパク質を分解して、
うまみのもととなるアミノ酸を作り出す。
カビの作用でできたうまみ成分のイノシン酸は、
アミノ酸と相まって上品な味を醸し出すのである。
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「人間はこんなものを食べてきた」には、
このカビの事例を含めて、色々な発酵食品について書かれているのだけど、
腐らせておいしくするって発想が凄いよね。
物凄く長い歴史の中で生まれた調理法だと思うけど、
いまだ発見されていない調理法が出てきたりするのかね。
長生きするといいことあるかな、なんてw